母乳のもつ利点と役割

人には人の乳が最良の食品であることは言うまでもないが
なぜ、人は人工乳に依存するのでしょう。
産み育てる環境が変化してきてはいるが、
私たちが今守らなければならないことの一つが母乳育児であると確信しています。
たかが育て方の一つの方法論のようにも感じるが、
母親がわが子を抱き、生きた乳を与えるということは人の人格の形成に大きく影響します。
私は、人間における哺乳の維持は今後の必要不可欠の課題であると思います。
ここでもういちど母乳の役割と利点・欠点をおさらいします。

ママへのメリット
①すぐに与えられる、手軽、
②母親の身体的回復へとつながる
③オキシトシン分泌に伴い、母親としての自信、喜びとつながる。子どもとつながる
④経済的
⑤母親の病気(乳がん、子宮体がん、卵巣がん、骨粗しょう症の)予防
⑥災害時に安心
⑦次の妊娠を防ぐ
⑧エコ

赤ちゃんへのメリット
①免疫力がある。病気にかかりにくい
②母乳成分が赤ちゃんの消化力に最適。母乳は理想の食品
④アレルギーになりにくい
④母親とのスキンシップで安心感
⑤あごの動き、五感から感じ取り、脳の発達を促す。
⑥睡眠無呼吸症候群を予防

デメリット
①ビタミンKの欠乏症のリスク(生後にk2シロップを服用)
②生理的母乳性黄疸の出現
③母親が特定の薬を服用
④夜間授乳があることを負担に思う
⑤長時間あずけられない

以上の言語化されたメリット・デメリットです。
動物としての人間と考えたとき、哺乳行動は生理的に行われる生き物であるのです。
脳で理解することも大事ですが
母乳育児の意義を体で感じることができると、
哺乳という行為から赤ちゃんを感じ理解できるのです。
誕生したからといって個々の体が離れてもても、母乳育児を通して母と子がつながっています。

母乳育児を軌道に乗りにくいときは、専門助産師のサポートを受けることがとても必要です。
痛みに耐え、苦痛を感じる必要はありません。
痛みも苦痛もなくなった時、母乳育児は心身ともに気持ちの良いものとなります。

人はもう自然に生命をはぐくみ、産み、育てるという行為が削がれていっています。
母乳育児はただ栄養を与えるだけの行為ではありません。
命をつなぐ活動のひとつとして母乳育児が衰退しないようにしなければならないのです。
そして、専門職としても産後の母親への情報提供を単に母乳・混合・ミルク育児とくくるのではなく、
母親が母乳育児を軌道に乗るまでの道しるべを慎重に提示していく必要がると思います。

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