初産婦 N.T.さん(30代)

私は2020年、シンガポールで長女を出産しました。母乳で育てたいと思っていたのですが、出産後体調不良で授乳を始めるのが遅れたのもあって母乳の量が追い付かず、退院後もしばらくはミルクを足していました。夫と二人でハラハラしましたが、授乳後の足しミルクは順調に減って、生後1か月の時には完全母乳にすることができました。シンガポールでは母乳育児が推奨されています。病院では、赤ちゃんが欲しがるたびに片方のおっぱいを咥えさせ、赤ちゃんが自分で口を離すまで吸わせるという方法を教わりました。ところが、それに従ってみると娘は毎回30分以上吸い続けます。それを伝えると、日本の母はびっくりして、左右交代しながら、数分ずつの授乳をするように教えてくれました。でも、咥えさせ方、抱き方など自分ではなかなかうまくできず、毎回の授乳が苦痛でした。

母に桶谷式をすすめられていましたが、シンガポールでは無理だろうと思いこんでいました。でも母乳育児に苦戦し、もしかしたらと思って検索してみると、郡山さんのブログに行き当たりました。メールしてみると、その週末に自宅に伺って相談に乗ってもらえるとのことで、さっそくお邪魔しました。まったくの初対面なのに週末の時間を割いて自宅に招き入れてもらい、おっぱいのケアをしてもらい、上手な咥えさせ方と抱き方も教わりました。この時期私は、夜中に何度も起きるのが苦痛だったので、夜間は添い乳でした。おっぱいの調子を改善するため、毎回起きて、左右数分ずつ、座って授乳するよう指導されました。最初はちょっと厳しいなとも思ったのですが、なんとか頑張って、3時間おきに起きて授乳できるようになりました。

それから一週間ごとに郡山さんのお宅にお邪魔してケアしてもらい、おっぱいの調子が落ち着いてきた生後2か月ごろからはひと月に一回お邪魔するようになりました。母乳育児についての相談にのってもらいながら、子供との向き合い方も教わりました。郡山さん宅で娘が泣くと郡山さん自身だけでなく、郡山さんの3人の子供たちも「泣いていいよ」と、とても穏やか。赤ちゃんが泣くたび、なんとかあやさなきゃとオロオロしていた自分のことを見直すきっかけになりました。予防接種の前日や、重要なことは赤ちゃんにちゃんと言葉にして説明すること痛かったり辛かったりして泣いている赤ちゃんをしっかり抱いて受け止めることも教わりました。娘が生後4か月のころに、私が仕事に就くことになり、あわてて娘を保育園に預けることになりました。娘はこのころには完全母乳に慣れていて、哺乳瓶からミルクを飲もうとしないので、保育園ではどうなるかとても心配しましたが、郡山さんは「子供は適応力が高いから大丈夫」と励ましてくれました。実際、娘はびっくりするぐらい順調に保育園に慣れてくれました。

娘はもうすぐ一歳になります。「おむつを替えるよ」と言うと、とても楽しそうにハイハイで私から逃げていきます。泣いているとき抱っこすると、体を反らして抱っこから脱出しようとします。今までだったら悩んだり、混乱したり、自分を責めたり、「嫌われているのかな」なんて考えが頭をよぎるところですが、郡山さんのおかげで自分の母親としての存在にもっと自信をもって「こういう形で必要とされているんだな」と思えるようになりました。

私と娘の最初の一年間、郡山さんにサポートしていただけたのはとても幸運でした。子育てについての哲学、お手本にしたい郡山さんと子供たちの信頼関係を思い出しながらこれからのチャレンジにも前向きに挑んでいこうと思います。ありがとうございました。

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